PNFの治療の考え方は?臨床推論から治療介入手順を紹介!

PNF 哲学 PNF疑問集

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PNFでは治療を進めていく中で哲学(PNF philosophy)と言われる基本的な考え方があります。普段行なっている治療の手順や対象者の目標達成をする為に必要なことになります。

この治療の考え方は、普段の臨床でどのように介入したらいいか迷った場合に振り返ると、新しいアイディアやシンプルに問題点を見つけやすくなるのでとても大切な考え方になります。

臨床経験が浅い方だけでなく、ベテランの方も色んな気づきがあるのでオススメです。

主に5つあり今回は概要について紹介していきたいと思います。

また、実際に自分の症例にどのように使えばいいかや、整形外科疾患だけでなく、脳卒中など運動麻痺がある方への具体的な介入方法やテクニックの使い方などについて知りたい方は、オンラインで個別指導も行なっておりますので、お気軽お声かけください。

PNFの哲学(philosophy)は?

主に5つあり、

  • ポジティブアプローチ
  • 機能的アプローチ
  • 集中的トレーニングにより潜在能力を導く
  • 全体像を見る
  • 運動学習と運動制御理論の利用

になります。PNFで治療を進めていくときはこれらを考えながら進めていきます。シンプルですが、とても奥深い考え方になり、とても大切な考えとなり、治療を進めていくときの指針になります。

PNFではICFの考え方を用いながらこの概念を合わせて治療を行なっていきますので、普段の臨床やゴール設定の時によく利用します。

コース中患者デモや実技テスト、筆記テストでも問われることが多いです。

ポジティブアプローチ

PNFの哲学の一つにポジティブアプローチというものがあります。

【ポジティブアプローチ】
対象者の良い面を利用して治療を行ない進めていくこと

日々の臨床を行う中で、可動制限や筋力低下などネガティブな評価を行うことが多いと思います。しかし、PNFでは肯定的な側面も評価しそれを治療で用いることも大切にしています。

例として、左片麻痺の方で右下肢の随意性が乏しく歩行時に背屈がでず介助が必要なことがあると思います。

ネガティブ要素として、麻痺側の随意性低下や体幹機能の低下、バランス不良などありますが、

ポジティブな要素として、感覚が良い、非麻痺側上下肢の筋力が強い、運動の認識が良いなどがあると思います。

PNFではポジティブな要素をどのように使ってネガティブな要素を治療に利用し機能を改善に繋げていくかも考え介入していきます。

【治療のポイント】

・ポジティブな評価と治療
・患者の可能な活動から開始する
・成功のための準備
・間接的な治療
・痛みを出さない

対象者の良い面の評価は、治療を進めていくヒントや鍵になるので、意識的に両方の側面を評価していきましょう。

機能的なアプローチ

PNFの哲学の一つに機能的アプローチというものがあります。

【機能的アプローチ】
心身機能・構造、活動レベルの治療を含んだ治療

PNFの治療はICFの概念を用いて進めていきます。

治療の主目標は、対象者が最高レベルの機能的活動性を達成するのを助けること

そのため、常に治療は心身機能・構造レベルと活動・参加レベルの治療をリンクさせた治療を展開していく必要があります。

例として、股関節の術後でトレンデレンブルグ歩行があり外転筋力低下で、股関節周囲に痛みがある方がいると思います。単純に背臥位で外転筋に対して筋力訓練を行うのではなく、

歩行時に必要な下肢筋群の協調的な筋力訓練や、背臥位、側臥位、座位、立位などCKCや重力や姿勢を変えた状態の筋活動、歩行周期に必要な筋活動や筋のタイミングの介入などを治療介入を進めていきます。

目的の臥位で筋力を鍛えることも大切ですが、PNFでは患者さんの歩行など目的の活動レベルに合わせて介入方法を変えて行なっていきます。

【治療のポイント】


・構造レベル・活動レベルで行う
・機能に直結した評価と治療
・患者に適した機能レベル

そのため、筋力や可動域の改善など機能レベルにだけ目を向けるのではなく、

その方の生活様式やライフスタイルに合わせた歩行やADLの解決に課題設定を行なっていきます。

ICFの活用は、普段の臨床治療の振り返りになるので、
紙面だけでなく、臨床推論の整理にも活用していきましょう。

集中的トレーニングにより潜在能力を導く

PNFの哲学の一つに集中したトレニングにより潜在能力を得るという項目があります。

【集中したトレニングにより潜在能力を得る】
全ての患者の潜在的な能力を基礎として、セラピストは、患者の潜在能力を図るように働きかけること。

PNFの治療では、受動的でなくお互いに能動的に進めていくことが大切になってきます。

そのため、互いに目標設定や活動レベルに則したホームエクササイズを実施・提示する必要があります。

例として患者さんがリハビリに受け身で、マッサージや筋力訓練だけを受けるのではなく、動作の改善に足りない機能や今の動作レベル、どのようにしたら改善していくのかを一緒に共有することが大切になります。

ラポール形成にも繋がり目的を持って毎回治療介入を行うことができるので、動作の改善にも繋がりやすいです。また、身体の状態に合わせた、自主訓練(自宅や病室)で行えるものも合わせて伝えていきます。

セルフケアを指導するポイントとして、筋トレやストレッチを伝えるときに歩行や立ち上がりADL動作につながるように伝えるのがポイントになります。

【治療のポイント】


・患者の積極的な参加
・集中的トレーニング-繰り返しとバリエーション
・援助的なトレーニングプログラム

そのためベッド上だけでなく、座位や立位など肢位を変えたりしながら治療を進めていくことが大切になります。

また、環境の変化、家族の援助なども対象者が最終的に自分で行えるようにパフォーマンスや動機の変化もあるので重要になります。

対象者の治療段階に合わせて実施することでより良い結果が得られることがあるので、ポイントを押さえて行なっていきましょう。

全体像を見る

PNFの哲学の一つに全体像をみるというものがあります。

【全体像をみる】
身体機能問題点だけでなく、対象者の環境や人格などの要素を含めた全人格的に把握すること

治療を行う際に、構造・動作レベルの評価はよく行うと思いますが、対象者の生活環境や精神状態などは異なってくると思います。

PNFで治療を進めていく際は、ICFの概念を用いて治療を進め、全体像を把握して対象者と一緒に目標を決めていきます。

例としては、変形性膝関節症の方だから、プロトコル通りストレッチや大腿四頭筋の筋力訓練、歩行訓練を行うのではなく、その方の生活様式(和式や様式の生活)どの歩行レベルまで必要か(自宅内短距離歩行や近くのスーパーまで買い物できるなど)などを考慮して介入していく必要があります。

また、背景因子もポジティブな要素も評価して治療に用いていくことも大切になります。

【治療のポイント】

・評価と治療(直接的・間接的)
・環境的・個人的因子

身体機能の改善、活動レベルの改善と同様に社会参加レベルを考慮することが、より具体的なゴール設定につながってくるので、一緒に頑張っていきましょう。

運動学習と運動制御理論の利用

PNFの哲学の一つに運動学習と運動制御理論の利用というものがあります。

【運動学習と運動制御理論の利用】

対象者の運動学習・運動制御段階に合わせ、内容・環境等を変えて治療を進めていく

運動学習:動作の学習がどの相にあるかで、フィードバックやハンドリングの頻度や量を変えていく必要があります。

運動制御:運動性や安定性など、対象者の動作がどの段階にいるかに合わせて治療を進めていく必要があります。

よく臨床で見られるのが、問題点が多くどこから治療したら分からないと聞きます。実際脳卒中の方や高齢者などで可動域や筋力、バランス、感覚など様々な問題が重なって痛みや動作に介助が必要なことが多いです。

PNFでは、治療の手順は運動制御段階を考慮して行うので、患者さんが運動制御段階のどのレベルか(運動性の問題や安定性の問題など)を評価して機能レベル・活動・参加レベルの治療を行なっていきます。

複雑に絡む動作の問題ですが、まずは患者さんの全体を確認してどこで問題が起きているのかを評価してシンプルに考えながら介入していきましょう。

【治療のポイント】

  • 対象者の運動学習・運動制御段階に合わせた目標設定
  • 運動学習段階に応じた感覚刺激の量
  • 運動学習に合わせたテクニックの活用
  • 対象者がどの運動制御段階であるか
  • 運動制御段階に合わせた治療介入の優先度

治療の目的は、対象者の活動・参加レベルの改善、向上であるので、動作の獲得や改善させるためにも、重要な考えになってきます。

これらを考慮しながら治療を進めることが対象者が動きを学習し、結果として正しい姿勢や動作を獲得するために必要になってきます。

また、課題設定などを調節するときにも重要になり、運動制御段階の最初に巧緻性が必要な難易度に設定すると代償が強く出現したり、課題が簡単すぎると対象者の意欲も下がってしまいます。

そのため、運動学習と運動制御の理論は対象者のレベルを整理するためにも必要になってきます。

まとめ

以上PNFの治療の考え方について紹介していきました。

基本的なことですが、学べば学ぶほどとても大切なことを気づきます。

特にポジティブアプローチは患者さんのモチベーションにも繋がりやすいので、ネガティブな視点だけでなくポジティブな要素を伝えることも運動の動機にもなることが多いです。

シンプルかつ内容が深い考えなので、普段の臨床推論を行う上でとても大切となりますので、一緒に頑張っていきましょう。

ご覧いただきありがとうございました。

また、実際に自分の症例にどのように使えばいいかや、整形外科疾患だけでなく、脳卒中など運動麻痺がある方への具体的な介入方法やテクニックの使い方などについて知りたい方は、オンラインで個別指導も行なっておりますので、お気軽お声かけください。