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PNFでは神経生理学の原理を利用して治療介入を行なっていきます。
そのためIPNFA®︎の講習会で神経生理学の原理を用いてテクニックや治療への活用内容を教えてくれますが、パターンやテクニック、クリニカルリーズニング、患者さん治療実技など学習することが多いので原理などは事前に学習することがオススメです。
PNFで治療を行う時に最低限必要な、神経生理学用語や自分が受講した際に覚えていた方がよかった内容などを紹介していきたいと思います。
放散(Irradiation)
放散(Irradiation):Sherringtonより発表された理論で、刺激に対する神経の反応の拡がり。反応は、共同筋群や運動連鎖を用い広汎性に身体全体に刺激が拡がります。
文献などでは主に強い刺激が脊髄に加わった際、単一の反射だけでなく、体幹や四肢のより広い範囲に筋肉の収縮が「放散(拡散)」する現象記述されています。
この放散の原理はPNFで治療する際は必ず利用するので必須の内容になります。
利用場面として間節的な治療で用いることが多く、筋活動の促通や抑制でも利用し、基本的原理・手段の一つにもなります。
放散の利点としては、
- 身体の強い部分を使って弱い部分を促通
- 固定点を作り、安定性を促通する
- 痛みがある場合に間接的に治療を行える
などがあります。
例)五十肩や肩腱板断裂で過敏さや痛みが強く直接的に触れない場合
下肢パターンやテクニック、運動連鎖を使って患部の抑制
例)腰椎圧迫骨折で直接的に体幹を鍛えられない場合
上肢パターンやテクニック、運動連鎖を使って体幹筋群に促通
など様々利用することができます。
放散を利用するポイントなどは別記事で紹介していますので合わせてご覧ください。
継時誘導(successive induction)
継時誘導(successive induction)は,Sherringtonより発表された理論で、動筋収縮直前に拮抗筋収縮を伴うことで、より大きな動筋出力が得られるという主旨の理論になります。
具体的なメカニズムとして、拮抗筋が働くと、相反抑制により一時的に主動筋が緩みます。その後、拮抗筋が活動を停止すると、直前まで抑えられていた主動筋の収縮が強まる(逆の作用が起こる)という原理です
そのため、PNFの拮抗筋テクニックはこの原理を利用して、最初に拮抗筋から運動を行い動筋へと筋収縮の促通を行うことになります。
例)座位保持の抗重力伸展活動の低下
拮抗筋テクニック利用時に拮抗筋から先に行う。
拮抗筋テクニックの利用時の手順も強い要素から行なっていくので、ポイントを押さえて行なっていきましょう。
強化(Reinforcement)/加重(Summation)
PNFの基本的原理・手段の一つに強化(加重)があります。
強化は、新しいものが加わって今より強く強力にすることで、刺激を与えることで今より筋収縮を強くすることになります。
加重反応も種類があり時間的加重と空間的加重があります。
時間的加重(Temporal summation)
求心神経に短い一定の時間間隔で反復刺激を与えると、シナプス後電位が加算されて大きくなる現象
例)筋力訓練時の回数を繰り返すほど筋収縮が上がる
臨床では運動麻痺や筋力が弱い方で、 1つ1つの刺激が小さくとも、刺激の反復的に神経を刺激することで筋出力の向上など良い効果が得られることがあります。
空間的加重(Spatial summation)
1つのニューロンに収束する複数の求心神経を刺激することで、シナプス後電位が加算される現象。
例)筋力訓練時に声掛けや視覚刺激
例)バランス訓練時に視覚や触覚刺激、口頭での誘導
PNFではテクニックやパターンを用いる時も強化・加重も用いて行位対象者の問題点を解決していきます。
様々な刺激は普段の臨床で重要で、視覚や聴覚など、複数の神経を刺激したりすることで、上記の加重が起こり良い効果が得られることがあります。また、Levin & Panturin(2011)の研究では、正常運動パターンの再学習のために複数の感覚経路から刺激を与えることが推奨されています。対象者の運動学習段階に合わせて刺激を使い分けていきましょう。
後発射(After-discharge)
後発射(After-discharge)は刺激が終了した後も神経細胞や筋肉が活動(パルス発射)し続ける現象。主にシナプスでの興奮伝達が長引くことや、神経細胞膜の性質が変化して脱分極(後脱分極)が持続することで発生します。
臨床では、筋活動を行なった際に、運動をやめて(筋収縮が終わった後)後も神経性の興奮が続いているので筋疲労が強い方は休憩時間の調節が必要になります。
PNFで治療を行う際は、ホールドリラックス(PIR)を行う際は、収縮後に対象者に合わせ休憩時間を調節することはこの後発射の原理に加味しているからになります。
伸張刺激(Elongation and Stretch-Stimulus)
PNFの基本的原理/手段の中に牽引と伸張の項目があり筋に対する刺激を行います。またリラクセーションテクニクやリピーテッドストレッチなどで使用していきます。
伸張刺激は筋が伸張された時に起こり、筋収縮を促通させる準備動作などで用います。そのため、パターンを行う際や筋収縮を上げたい場合に利用します。
また、Ia抑制、Ib抑制は必ず押さえておきましょう。
リラクセーションテクニックはこれらの原理を利用して行なっていきます。
臨床上可動域制限は、よく直面すると思いますので、ポイントをおさえて介入していきましょう。
Ia抑制
Ia抑制(相反性抑制):伸張反射が生じる際に拮抗筋を弛緩させる反応。相反神経支配に基づきGIa繊維が脊髄内で拮抗筋のa運動神経の興奮を抑制させます。
臨床での使い方として、ハムストリングスの柔軟性を改善するために大腿四頭筋に筋収縮を行うことで間接的にハムストリングに抑制がかかりSLRの可動域改善がみられます。
ホールドリラックスの間接的な介入で行うことになります。
Ib抑制
Ib抑制(自己抑制):筋・腱に持続的に伸張刺激が加わることで、その筋の収縮を抑制する反射。
筋伸張の強さに応じて伸張半焼あも強くなりますが、身長が強いとGolgi腱機関が興奮します、Golgi腱機関からGIb繊維のインパルスは脊髄内で抑制介在ニューロンを介して同側のa運動ニューロンの興奮を抑制するとともに抑制介在ニューロンを介して拮抗筋を収縮します。
臨床例としてSLR時にハムストリングスの緊張が強い場合にエンドフィール域で抵抗運動後にハムストリングスが弛緩し、可動域が広がります。
ホールドリラックスの直接法やPIR(post isometric relaxation)はこの原理を用いて可動域を広げます。
まとめ
PNFで利用する神経生理学について紹介しました。今回は主要な原理を紹介しましたが、多くの原理を利用して治療を行なっています。ベーシックコースを受講を検討されている場合は必ず押さえておきましょう。
また、レベル4中枢を検討されている場合は、姿勢制御や運動学習理論などを深く学んでいる必要があります。
一緒に頑張っていきましょう。ご覧いただきありがとうございました。



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